記録
1 友の会からのおしらせ
奥出雲町チェーンソー研修、今年は7/11(土)、11/7(土)の2回開催ですが、7月の回については定員に達したため締切ました。11月の回はまだ空きがあります。詳細はサイトにて。
https://okuizumo-kikori.net/archives/1768
ステップアップ研修、実践研修の日時内容は計画中です。いましばらくお待ちください。
2 おすすめの講座・イベント・研修など
夏は野外という常識はひと昔前の話になるかもしれません。暑さのレベルが違う近年。夏といえば、冷房の効いた自然館で展示を楽しんだり、読書したりするのが、これからの過ごし方かも!?
というわけで、大田市の三瓶自然館や、三瓶縄文の森ミュージアムの埋没林をおすすめ。
3 気になる情報、サイト、山、なんでもあれこれ
◆『散歩が楽しくなる樹の手帳』岩谷美苗著(東京書籍)
https://www.tokyo-shoseki.co.jp/product/books/81068
岩谷美苗さんは、女性の森林インストラクター第1号。実は島根県出身なのですが、たぶん島根よりも東京の樹木関係者の間では有名人です。
そのプロフィールをこの本からひろってみましょう。
《小さい頃から薪割り、風呂焚き、牛の世話……は気が向いたら手伝い、田んぼに田植えをするも、ヒルだらけの母の足を見ていやになり、家で編み物や本を読む内向的な幼少期を過ごす。東京学芸大学入学を機に上京。探検部に入部したことで野生の本能がめざめ、山に入り浸ってキノコにはまる。大学卒業後、森林インストラクター第一期の試験に合格し、たまたま女性初の森林インストラクターとなる。味をしめて樹木医の試験も受け、1998年、樹木医に。2000年、調子にのって「NPO法人樹木生態研究会」を設立し、現在、窓際理事。電車の先頭車両に乗り、線路に生えているキリを探す「桐鉄(きりてつ)」が趣味。キノコ、子ども大好き。》
著書もたくさんあり、どれもおすすめです。
さて『樹の手帳』。一見ふつうの樹木紹介本ですが、実体はさにあらず。樹木の生理生態をコンパクトな中にしっかり凝縮して伝えつつ、知識だけでない、樹を「好き」になる、その魅力の中心へと、ぐいぐいと引き込んでいく、力ある本です。
4 編集雑記
梅雨があけると、クサギの花が咲き始めます。まだ目にはそれとわからない咲きはじめも、あたりに漂うジャスミンに似た甘い香りで、その存在を教えてくれます。その花に誘われて、黒い翅をはためかせたモンキアゲハが、夏の光のなかをゆっくり横切っていく姿も夏らしい光景でしょう。
クサギは、図鑑などでは「葉が臭いことが名の由来」と書かれることの多い木です。けれど葉をもんで嗅いでみると、その匂いはひとつではありません。ピーナッツバターのようだと言う人もいれば、ブルーチーズのようだと言う人もいる。夏の海の匂いを思い出す人もいる。ひとつの葉から、人それぞれの記憶の匂いが立ちのぼるのは、不思議なことです。
秋になると、クサギは青や藍を出す実をつけます。その実で布を染めることができます。干した若葉は、かつて飢えをしのぐために蔵に蓄えられた救荒食でもありました。一方で、晴れの日の食事に欠かせない食材でもあり、中国地方の山間部では、いまもアク抜きして干したものを道の駅などで見つけることができます。夏には汁に少し加えて保存料として使われたことが山口県の山間部に伝わります。
葉を嗅ぐ。花の香りをたどる。蝶を眺める。若葉を干して料理する。保存料とする。実で布を染める。
クサギは、ただそこに一本の木として立っているだけではありません。ふれるたびに、別の入口をひらきます。匂いの木、蝶の木、食べものの木、染めものの木。どれかひとつが本当の姿なのではなく、こちらのふれ方ごとに、違うクサギが立ち上がってくる。
山もそうです。伐り倒して気づくこと、目に見えるもの、匂うもの、食べられるもの、手を動かしてはじめてわかるもの。入口はいくつもあり、山はそのたびに、違う顔を見せてくれるものでしょう。




