森と一体の作業道を…
なぜ、今、作業道なのか
林業といえば、何を思い浮かべますか? 山で木を「伐る」仕事ですから、ポスターなどにはチェーンソーを持った若い男女のカッコいいポーズを使ったりします。わかりやすいですよね。方や林業にとって重要な仕事=要素である「運ぶ」ことは、わかりにくいものです。
時間的にも労力的にもコスト的にも、山の仕事は「運ぶ」ことに費されます。「出す」ともいいます。山の中にいい木があったとして、まずどうやって「出す」かを考えるのが林業なのです。さて、その「出す」こと、江戸時代以前には人力+馬力+川筏が主なものでした。明治・大正・昭和を通じての産業機械の導入は、山の中に架線をつくってエンジン動力で道のあるところまで運び、トラックで市場へという流れをつくりました。30年くらい前まではこの架線が主流だったです。現在は山の奥にまで道をつけ、伐った現場で積み込み、運ぶことにシフトしています。
さて、道をつかって運ぶのは木材のみならず、人・道具・機械…などなど。山に入って仕事をするための道なのです。かつて作業道といえば、木を伐るためにつくってあとは使わない=荒れても壊れてもいい道という使われ方もしました。今は作業というよりは、山を長期的に管理するための小道をさすようになってきています。高密度路網という言い方もしますが、道は小さくとも網の目のように細かく張り巡らせるのです。その道は航空写真でみても道の存在がわからない、いわば山と一体化した獣道のような存在です。
そんな「作業道」をつけるのに大事なこと、それは何より山を観て感じて知ること。これ、木を育てること、木を伐ること、森をつくること、そのものとも深くつながっている林業の根幹にかかわることでもあります。さらに時代は「林業から森林業へ」とシフトしつつあります。木材を生産する場であるのみならず、水資源のみならずCO2の吸収はじめ国土の保全、多様な生物資源、それらすべて涵養する場を管理する業として見直しが図られています。作業道をつけるということは、その中心にあるといってもいいでしょう。
ですから、まず現場にきていただいて感じてもらいたい。…というのが今回の趣旨であり、さらに「自分も山にそんな道をつけたい」という人を募る場ともしたいのです。最後に、奥出雲で手本にしており、何年にもわたって指導を受けてきた橋本光次さんの動画を下にあげて、今回の案内とします。
体験見学会の日程・場所など
11/16(土)午前 奥出雲町八川地区内山林/
11/17(日)午後 奥出雲町八川地区内山林/
11/30(土)午前・午後 奥出雲町鳥上地区内山林/
12/1(日)午後 奥出雲町鳥上地区内山林/
時間と場所の詳細など、下にあるフォームからの申し込み受付後にメールでご案内します。山に入れる服装・装備でおこしください。
内容
3tクラスのバックホーを使って、山の斜面に道をつけていきます。操作運転経験の浅い方でも、体験は可能です。まずやって感じることは大事だと考えます。見学のみでもかまいません。11/16、11/17の回ではすでにつけた道や山林観察(踏査)も行う予定です。
申込みフォーム
終了につきフォームは閉じました。お問い合わせなどはトップページよりお願いします。