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1 友の会からのおしらせ
◆練習会、出張研修は随時募集中です
山に関する「仕事」であればなんでもOK。 小屋づくり、道づくり、チェーンソーの目立て講習から機械整備。伐木や薪づくりなど、オーソドクスなものはもちろん。基本は3名以上のグループで町内在住もしくは町内山林所有者を1名以上含むこと。
内容、日程、ともにご相談。とはいえ、実施時期は田植えが一段落する頃以降になります。
まずは、ウェブサイトのコンタクトフォームからリクエストくださいませ。
2 おすすめの講座・イベント・研修など
◆湿原再生ボランティア(霧ヶ谷作業地の春季作業)
日時:2026年4月19日(日) 8時40分~15時頃まで
場所:霧ヶ谷湿原(広島県山県郡北広島町東八幡原119-1)
主催:NPO法人西中国山地自然史研究会
詳細、申込みは以下のリンクから
https://bit.ly/3O7JBM5
霧ヶ谷のようす
https://bit.ly/4toP7Jj
湿地は、よその土地の話ではありません。じつは私たちの暮らす奥出雲の風土そのものが、山の水と、湿り気を帯びた土地に支えられてきました。仁多郡の「仁多(にた)」という地名にも、湿地帯を思わせる古い響きがあるといわれます。
そう考えると、山を守ることは、木を守ることだけではないのだと気づかされます。水を蓄え、にじませ、流していく。そのはたらき全体を守ることでもある。湿原は、そのことを目に見えるかたちで教えてくれる場所です。
湿原は、森と別の世界ではありません。山に降った雨を受けとめ、抱え込み、ゆっくり下流へ手渡していく。その流域のはたらきが、むき出しのまま見える場所です。だから水源や保水を考えるうえで、湿原はとても大切です。木が立っているところだけで山はできているのではない。水がにじみ、たまり、流れ出していく場所まで含めて、山の生態系は支えられています。
そんなことを、はっきり感じさせてくれるのが、北広島町・東八幡原の霧ヶ谷湿原です。奥出雲や出雲地方から見れば、北広島はたしかに遠い。けれど、中国山地の一角で進められている湿原再生は、私たち自身の山や森、水の未来を考えるうえでも、決して他人事ではありません。
霧ヶ谷湿原では、もともと山ぎわの湧水や谷の水の動きに支えられていた湿地が、牧場造成にともなう排水施設や道路整備の影響で乾燥化し、縮小していきました。そこで2003年に検討協議会が設けられ、翌2004年には地域住民、NPO、研究者、行政などが参加する八幡湿原自然再生協議会へと移行し、失われた湿地をどう取り戻すかが本格的に話し合われるようになりました。目標は、牧場造成前、昭和30年代前半ごろの湿原生態系を再生することにあります。
この再生がおもしろいのは、単に草を増やす、木を切る、という話ではないところです。湿原再生とは、水の流れそのものを読み直す仕事でもあります。コンクリート水路を改修し、導水路を整え、侵入木を伐る。いったん陸地化した場所に、もう一度、水を行き渡らせていく。やっていることは地味です。けれど、地味だからこそ本質的です。山の水のふるまいに手を入れ、流域の呼吸を取り戻そうとしているのです。
しかも、一度工事をすれば終わりではありません。その後もモニタリングを続け、水路修理や刈取りを重ねながら、少しずつ湿原全体を元の姿へ近づけていく。うまくいったように見えても、乾燥化した場所は残る。戻ったと思っても、また崩れる。だから見て、直して、また見る。このしつこさが、湿原再生の核心なのだと思います。
森林や林業に関心をもつ人にとっても、この現場は示唆に富んでいます。森を守るとは何か。山を守るとは何か。それは木を育てることだけではなく、水を蓄え、しみ出させ、下流へ手渡していく流域全体のはたらきを守ることでもあるはずです。湿地は、生きもののすみかであるだけでなく、水を蓄え、ろ過し、ときに洪水をやわらげる役割も担っています。湿原を見ることは、山を少し広い目で見ることにつながる。いや、山をようやく山として見ることにつながる、と言ってもよいのかもしれません。
4月19日には、チェーンソーを使った樹木の伐採、刈払機による萌芽皆伐のほか、手鋸作業も募集されています。湿原再生というと、遠い自然保護の話に聞こえるかもしれません。けれど現場では、実際に手を入れ、水の通り道を考え、木本の侵入を抑えながら、山と湿地の関係を立て直す作業が続いています。見学ではなく、手を入れる現場です。
参加してみるのもよし、まずは一度、湿地を訪ねてみるのもよしです。遠い北広島の話としてではなく、中国山地に生きる私たち自身の水と森の未来のこととして、霧ヶ谷湿原の現場にふれてみてはいかが?
3 気になる情報、サイト、山、なんでもあれこれ
◆メープルシロップ
十年以上前かもしれません。奥出雲でメープルシロップをつくろうとしている話を伺ったことがあります。その後、製品になったとは聞かす、挑戦を続けておられるのかどうかはわかりません。
そんなことを思い出しのは、先日、山梨県早川町奈良田でメープルシロップを製造販売している方とお話する機会があったから。私はまったく疎かったのですが、同じ場で話を聞いていた詳しい方が、腰を抜かさんばかりに驚かれ、そして絶賛されていました。まず家族でやっていること。生産量からいって家内制手工業でできるようなものではなく、かつそのクォリティーが、世界レベルで最上級のものだろうということ。手作りだからできるともいえましょうが、ともかくすごいものらしい。
高価なものですが、1本買って帰りました。どうやら奥出雲であれば、八川、鳥上、上阿井といった奥地で雪が深く積もる冬の僅かな期間が採取期ということです。イタヤカエデ、ウリハダカエデから採取するとか。
◆奈良田のAtelier moo。メープルシロップの紹介はこちら。
https://www.creema.jp/item/20242680/detail
4 編集雑記
四月の山へ入ってゆくことは、ほんとうにたのしいことです。そして、いい匂いがします。土とも草とも花とも言い切れない、春の匂いです。
春は山からやってきます。人は山の中へ入り、春の気を吸って、すこし春の一部になってゆきます。こちらが春を読んでいるようでも、ほんとうは春のほうで、こちらを読んでいるのかもしれません。
山は、春のほんとうのところを、しずかに教えてくれるところです。







